2025年7月13日日曜日

インターネットの基本的な仕組み

 インターネットは、世界中のコンピューターネットワークが相互に接続された、巨大な情報通信網です。私たちが普段ウェブサイトを見たり、メールを送ったり、動画を視聴したりできるのは、この複雑でありながらも巧妙な仕組みのおかげです。


インターネットの基本的な仕組み

インターネットの仕組みを理解するには、いくつかの重要な要素と、それらがどのように連携しているかを知る必要があります。

1. データの「小包化」:パケット通信

インターネットで情報を送る際、データは一度にまとめて送られるわけではありません。大きなデータ(例えば、ウェブページ全体や動画ファイル)は、小さな「パケット」と呼ばれる単位に分割されます。

このパケットには、データの断片だけでなく、送り元のアドレス(IPアドレス)、送り先のアドレス(IPアドレス)、そしてそのパケットが元のデータの何番目の断片であるかを示す情報などが含まれています。


2. アドレス:IPアドレスとドメイン名

インターネット上のすべてのデバイス(コンピューター、スマートフォン、サーバーなど)には、それぞれ固有の住所が割り当てられています。これが「IPアドレス」です。IPアドレスは、「192.168.1.1」のような数字の羅列で表されます。

しかし、人間が数字の羅列を記憶するのは大変ですよね? そこで登場するのが「ドメイン名」です。ドメイン名とは、「https://www.google.com/search?q=google.com」や「yahoo.co.jp」のような、ウェブサイトのわかりやすい名前のことです。

あなたがウェブブラウザで「https://www.google.com/search?q=google.com」と入力すると、コンピューターは「DNS(Domain Name System)」と呼ばれるシステムに問い合わせます。DNSは、電話帳のような役割をしており、「https://www.google.com/search?q=google.com」がどのIPアドレスに紐づいているかを教えてくれます。これによって、あなたのコンピューターは目的のサーバー(IPアドレス)にアクセスできるようになります。


3. 情報の交通整理:ルーター

パケットは、送り先まで一直線に進むわけではありません。インターネット上には「ルーター」と呼ばれる機器が多数存在し、パケットを最適な経路で送り先に届けます。

ルーターは、郵便局の仕分け係のようなものです。パケットが持つ送り先IPアドレスを見て、次にどのルーターに送れば目的地に近づくかを判断し、転送していきます。これにより、たとえ途中の回線が混雑していても、別の経路を選んでデータを届けることができます。


4. ルールブック:プロトコル

インターネット上のデバイスがスムーズに通信するためには、共通の「ルール(規約)」が必要です。これが「プロトコル」です。様々な目的のために、多くのプロトコルが存在します。

  • TCP/IP (Transmission Control Protocol/Internet Protocol): インターネット通信の基本となるプロトコル群です。データをパケットに分割し、確実に送り届けるためのルールを定めています。

  • HTTP (Hypertext Transfer Protocol): ウェブサイトの情報をやり取りするためのプロトコルです。あなたがウェブページを見る際に、ブラウザとウェブサーバーの間でこのプロトコルが使われています。

  • HTTPS (Hypertext Transfer Protocol Secure): HTTPに暗号化機能を追加し、安全に通信するためのプロトコルです。オンラインショッピングや個人情報の送受信などで使われます。

  • FTP (File Transfer Protocol): ファイルを転送するためのプロトコルです。

  • SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) / POP3 (Post Office Protocol 3) / IMAP (Internet Message Access Protocol): 電子メールを送受信するためのプロトコルです。


5. 情報の保管庫:サーバーとクライアント

インターネットは、「クライアント」と「サーバー」という二つの役割を持つコンピューターのやり取りで成り立っています。

  • サーバー: ウェブサイトのデータ、メール、動画など、様々な情報やサービスを提供する側のコンピューターです。常に稼働しており、リクエストに応じて情報を提供します。

  • クライアント: あなたが使っているPCやスマートフォン、タブレットなど、サーバーから情報を受け取る側のコンピューターです。ウェブブラウザやメールソフトなどがクライアントソフトウェアにあたります。

あなたがウェブサイトを見たいとき、あなたのPC(クライアント)が、そのウェブサイトのデータを持っているサーバーに対して「このウェブページを見せてください」というリクエストを送ります。サーバーはそのリクエストを受け取ると、該当するデータをパケットに分割してクライアントに送り返し、あなたのブラウザはそのパケットを組み立ててウェブページを表示します。


まとめると

  1. あなたがPCでウェブサイトのURLを入力すると、そのドメイン名がDNSによってIPアドレスに変換されます。

  2. あなたのPC(クライアント)は、そのIPアドレスのウェブサーバーに、見たいページのデータを要求するメッセージを送ります。

  3. メッセージは小さなパケットに分割され、ルーターを経由して最適な経路でサーバーに届けられます。

  4. サーバーはリクエストを受け取ると、要求されたウェブページのデータを再びパケットに分割し、あなたのPCに送り返します。

  5. あなたのPCは、届いたパケットを元のデータに組み立て直し、ウェブブラウザがウェブページとして表示します。

このように、インターネットはパケットという小さな塊を、決まったルール(プロトコル)に従って、たくさんの機器(ルーター)を介して、目的の場所(IPアドレス)に送り届けることで、膨大な情報が瞬時に世界を駆け巡る仕組みを実現しているのです。

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