2025年6月30日月曜日

マークアップ言語とは?(HTMLを例に)

 はい、承知いたしました。HTMLが「マークアップ言語」であり、「プログラミング言語ではない」という点を、初心者の方にも分かりやすく解説しますね。「何をマークアップするのか」という視点から説明することで、理解を深めていきましょう。


マークアップ言語とは?(HTMLを例に)

HTMLは「HyperText Markup Language(ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ)」の略です。この名前の通り、HTMLは**「マークアップ言語」**に分類されます。

では、「マークアップ言語」とは一体何でしょうか?

簡単に言うと、マークアップ言語とは、文章の構造や意味、表示形式などを指定するために使われる言語のことです。

もっと具体的に言うと、私たちが普段書いている文章(例えば、この説明文)に、コンピュータが理解できるように**「目印(マーク)」**を付けていく作業をするためのものです。この「目印」のことを「タグ」と呼びます。

イメージしてみてください:

あなたは、友達に「今日の予定」を伝えるメモを渡すとします。

そのメモには、

  • タイトル:「今日の予定」

  • 大事なこと:「ランチは12時ね!」(太字にしたい)

  • 箇条書き:「買い物に行く」「宿題をする」「ゲームをする」

  • 最後に「よろしくね!」

と書かれています。

これを、コンピュータに「これはタイトルだよ」「これは箇条書きだよ」「これは太字だよ」と教えるのが、マークアップ言語の役割です。

何を「マークアップ」するの?(=何に「目印」を付けるの?)

まさに、ご質問にあった「タイトル」「段落」「太字文字」などが、HTMLでマークアップする(目印を付ける)代表的なものです。

HTMLでは、これらの要素に以下のような「タグ」という目印を付けます。

  1. タイトル(見出し)

    • 例:<h1>今日の予定</h1>

    • これは、<h1>というタグで「今日の予定」というテキストを囲むことで、コンピュータに「これは一番大きな見出し(タイトル)だよ」と教えています。他にも<h2>, <h3>などで、中見出し、小見出しを指定できます。

  2. 段落

    • 例:<p>これは一つの段落です。</p>

    • <p>タグで囲むことで、「このテキストの塊は一つの段落として扱ってね」と指示します。

  3. 太字文字

    • 例:<strong>ランチは12時ね!</strong>

    • <strong>タグで囲むことで、「このテキストは特に重要な部分だから、太字で表示してね」と伝えています。(<b>タグもありますが、<strong>は「重要性」を示す意味合いがあります)

  4. 箇条書き

    • 例:

      HTML
      <ul>
          <li>買い物に行く</li>
          <li>宿題をする</li>
          <li>ゲームをする</li>
      </ul>
      
    • <ul>は「順序なしリスト(箇条書き全体)」、<li>は「リストの項目」であることを示しています。このように、複数のタグを組み合わせて構造を表現します。

  5. 画像

    • 例:<img src="image.jpg" alt="風景写真">

    • これは「ここにimage.jpgという画像を表示してね。もし画像が表示できない場合は『風景写真』と表示してね」と指示しています。

  6. リンク

    • 例:<a href="https://www.google.com">Googleのサイトへ</a>

    • 「『Googleのサイトへ』というテキストをクリックしたら、https://www.google.comに移動してね」と指示しています。

これらの「目印(タグ)」は、ブラウザがWebページを表示する際に、どの部分がタイトルで、どの部分が段落で、どこに画像があり、どこがリンクになっているのかを理解するために使われます。ブラウザは、この目印に従って、Webページを私たちの目に見える形に整形して表示してくれるのです。

なぜ「プログラミング言語ではない」のか?

プログラミング言語は、コンピュータに「手順(アルゴリズム)」や「処理(ロジック)」を命令し、特定のタスクを実行させるための言語です。例えば、「もしユーザーがこのボタンを押したら、この計算をして、結果を表示しなさい」といった**「条件分岐」や「繰り返し処理」**のような、動的な振る舞いを記述することができます。

一方、HTMLはあくまで**「情報の構造や意味を記述する」**ための言語です。Webページに「何かを動かす」「計算する」といった機能を追加することはできません。HTMLは静的なコンテンツ(テキスト、画像、リンクなど)をどのように配置し、表示するかを指示するだけです。

「Webページを見る」という行為において、

  • HTML:Webページの骨組みやコンテンツの内容を定義する(例:「これは見出し」「これは画像」)

  • CSS(スタイルシート):Webページの見た目を装飾する(例:「文字の色は赤」「背景は青」)

  • JavaScript(プログラミング言語):Webページに動きやインタラクティブな機能を追加する(例:「ボタンを押したらメッセージを表示」「スライドショーを自動で動かす」)

という役割分担がされています。

このように、HTMLはWebページの「骨格」や「内容」を定義するための「目印付けの言語」であり、コンピュータに「こう表示してね」と指示する役割を持っているのです。

これで、マークアップ言語とは何か、そしてHTMLが何をマークアップするのか、ご理解いただけたでしょうか?

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