ホームページのCSS指定方法は、主に以下の3つがあります。それぞれの概要と適用優先順位について説明します。
1. インラインスタイル (Inline Styles)
概要:
HTMLタグのstyle属性に直接CSSプロパティを記述する方法です。
記述例:
<p style="color: blue; font-size: 16px;">これはインラインスタイルが適用されたテキストです。</p>
特徴:
非常にシンプルで、特定の要素にピンポイントでスタイルを適用したい場合に便利です。
HTMLとCSSが混在するため、コードが読みにくくなる傾向があります。
大量の要素にスタイルを適用する場合や、スタイルを再利用したい場合には不向きです。
2. 内部スタイルシート (Internal/Embedded Stylesheets)
概要:
HTMLファイルの<head>セクション内に<style>タグを設置し、その中にCSSコードを記述する方法です。
記述例:
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>内部スタイルシートの例</title>
<style>
p {
color: green;
text-align: center;
}
h1 {
font-size: 24px;
border-bottom: 1px solid black;
}
</style>
</head>
<body>
<h1>内部スタイルシートのタイトル</h1>
<p>これは内部スタイルシートが適用されたテキストです。</p>
</body>
</html>
特徴:
HTMLファイル内でCSSを管理できるため、単一のページに特化したスタイルを適用する場合に便利です。
外部スタイルシートのように別途ファイルを作成する必要がありません。
複数のページに同じスタイルを適用したい場合には、各ページに同じCSSコードを記述する必要があり、効率的ではありません。
3. 外部スタイルシート (External Stylesheets)
概要:
CSSコードを.cssという拡張子の別のファイルとして作成し、HTMLファイルから<link>タグを使ってそのCSSファイルを読み込む方法です。
記述例 (HTMLファイル: index.html):
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>外部スタイルシートの例</title>
<link rel="stylesheet" href="style.css">
</head>
<body>
<h1>外部スタイルシートのタイトル</h1>
<p>これは外部スタイルシートが適用されたテキストです。</p>
</body>
</html>
記述例 (CSSファイル: style.css):
body {
font-family: Arial, sans-serif;
}
h1 {
color: purple;
text-decoration: underline;
}
p {
color: orange;
font-weight: bold;
}
特徴:
HTMLとCSSが完全に分離されるため、コードの可読性が向上し、管理がしやすくなります。
複数のHTMLファイルで同じCSSファイルを共有できるため、ウェブサイト全体で一貫したデザインを効率的に適用できます。
最も推奨されるCSSの指定方法です。
適用優先順位
CSSのスタイルが競合する場合、どのスタイルが最終的に適用されるかには優先順位があります。基本的な優先順位は以下の通りです。
インラインスタイル (Inline Styles):最も優先順位が高いです。HTML要素に直接指定されているため、他のどのスタイルよりも優先されます。
内部スタイルシート (Internal/Embedded Stylesheets) および 外部スタイルシート (External Stylesheets):これらの優先順位は、HTMLファイル内で読み込まれる順番に依存します。後に読み込まれたCSSが、それ以前に読み込まれた同じセレクタのスタイルを上書きします。ただし、セレクタの**詳細度(Specificity)**が同じであれば、後に書かれたルールが優先されます。
詳細度とは? セレクタがどれだけ具体的に要素を指定しているかを示す度合いです。より詳細なセレクタ(例:IDセレクタ)は、より一般的セレクタ(例:要素セレクタ)よりも優先されます。
!important
:このキーワードを使用すると、そのプロパティの優先順位を非常に高く設定できます。しかし、デバッグが難しくなるため、極力使用は避けるべきとされています。
簡単な優先順位の覚え方:
「インライン > 内部・外部 (後に書かれたもの & 詳細度が高いもの)」
通常は外部スタイルシートを使い、ウェブサイト全体でスタイルを統一し、必要に応じて内部スタイルシートやインラインスタイルで微調整する、という方法が一般的です。ただし、インラインスタイルは緊急時や特定のテスト目的以外では、できるだけ避けることが推奨されます。
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